忍者がいる・・・

マンションのロビー入り口の扉が開いた音がした。
振り返ったら、開けられた反応でドアがブラブラしている。
でも、人影がない・・・。
ガラス張りでかなり頑丈な作りだから、
風で動くような軽い扉じゃないし・・・。
いやぁな雰囲気・・・。

すると、横から
「・・・・・・・コンバンワ・・・」
超小声、しかも目線あわさず。
ていうか、いつのまに私の横にいた?!?!
小柄で眼鏡の、どう見てもふつーーーーのおばちゃんが横で宅配ポスト開けた。
「コンバンハ・・・・」
カオには出さないけど、心臓が飛び出るほど驚いた。

先に、エレベーターホールに行った私。
ふと上を見上げて、視線を元に戻すと
また真横におばちゃんが?!!!!!!!
足音しない?!
気配もない?!
なんじゃ、こいつ?!!!!

エレベーターに乗る。
どうやら一緒の階らしい。
『開ける』を押して、「オヤスミナサイ」なんて言ってみる。
「どうも・・・」
おばちゃん、エレベーター出る。

あわてて追いかける、
直後に降りたのに、すでに10メートル先にいる!
足音全くしない、超足速い!!!!!

忍者だ・・・・・・。

隠密だ。
ばさばさのひっつめ髪が、あっという間に遠くなっているのを見ながら。
思わずつぶやいてしまったよ。